自然野菜料理のいろいろ
食品全体のなかに占める山菜の位置は、野菜とほぼ同じです。脂肪や蛋白質を含むものはほとんどなく、澱粉を含むものすら、ごく限られた種類を除いてはありません。

 しかしビタミン類、ミネラル類、食物繊維は豊富に含んでいます。
 いかに山菜がおいしくても、おかずに山菜ばかりを食べていたのではカロリー不足になるばかりではなく、栄養的にも片寄り、体調を崩してしまうという弊害も生じます。

 そこで、山菜を料理するときには、あえごろもに脂肪、蚤白質の多い素材を使用するとか、肉、魚、芋などをいっしょに料理するとかの工夫していただきたいのです。

 山菜は、素朴な料理でその真価が発揮されるものだということも頭において、料理するようにしましょう。

INDEX
おひたしとあえもの
炒め物
きんぴら
煮物
天ぷら、素揚げ
ご飯もの

おひたしとあえもの
野菜をサラダにして生のまま食べると、さわやかな香りが口の中に広がります。さらに充実感もあり、お腹がいっぱいになります。その割にカロリーが少ないので、ダイエットを望む人たちに好まれることは周知の通りですが、サラダは野菜の味をそのまま味わう最もよいメニューであるともいえるでしょう。

山菜には生で食べられるものは少なく、あく抜きを兼ねて、まずゆでてから食べるのがふつうです。つまり、初めはおひたしからです。

 山菜は姿形が違うように、種類ごとに味も異なります。その味の違いをはっきり理解するためには、おひたしが最適です。ゆでてあくを抜き、けずり節をふりかけ、醤油で味付けしただけの単純な料理が山菜料理の基本です。どんな山菜でもまず、おひたしで味を確かめて欲しいものです。

 おひたしを食べ、味わいながらすることは、その味をいかすためにはどんな工夫をしていったらよいかを考えることです。その第一の手段があえものです。山菜を栄養的に優れた料理にする第一の方法があえごろもになります。

 あえごろもは手元にある素材、たとえば、味噌、醤油、酢、豆腐、納豆、卵、ゴマ(金、黒、洗い)、クルミ、ピーナッツ、海苔の佃煮など何でもかまいません。創意と工夫で自分だけのあえごろもを作ってみてはいかがでしょう。

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炒め物
おひたしやあえものはどちらかというと、大人のための料理です。子どもたちにも山菜を喜んで食べてもらうために、中国料理の炒めものも会得しておきましょう。
 
炒めものをするにはフライパンより中華鍋が適しています。混ぜあわせるための鉄のお玉があれば重宝しますが、わたしは柄の長いおしゃもじを使っています。

後は火力の強いレンジが欲しいものです。火が弱いとどうしてもパリッとならず、くたっとなってしまいます。
 
山菜の炒めものといっても、1種類だけで炒めずに、肉や、ほかの山菜、野菜、キノコなども加えて、栄着もボリュームもたっぶりの炒めものにしてください。また、あらかじめ種類ごとに切りそろえて笊にとり、手際よく炒めましょう。堅いものから順に鍋に入れて、炒めていきます。
 
味付けの決め手は、オイスターソースです。貝のカキのソースのことで、香港からの輸入品があります。

これを味付けのときに茶匙1杯ほど加えると、中国料理店で食べるような味になります。アミノ酸、ビタミン、ミネラルを含む栄養豊かなソースです。
 あくの強い山菜は早めに鍋に入れてよく油がまわるようにすると、あくが消えてしまいます。
きんぴら(イラストは上図参考)
ニンジンとゴボウの千切りを、油で炒めてから煮付けたものをきんぴらといいますが、同じ料理法でおいしく食べられる山菜があります。

 セリの地中に伸びる白い茎、ウドの皮、ナズナの根などがその例です。
 材料を切って整えたら、水に放ち、しばらくおいてあくを抜き、たっぷりの油で炒めましょう。火が通ったら、だし汁に移して、醤油、砂糖で煮含めます。
 最後に白ゴマと一味唐辛子をふりかければ、山菜のきんぴらのできあがりです。山菜のきんぴらはニンジン、ゴボウのきんぴらより香りがあるので、ご飯のおかずにも適しています。

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煮物
野菜の煮ものというと、今の子どもたちは、それだけで拒否反応を示しますが、ちょっと工夫してやれば、喜んで食べる料理に変身します。
 
たとえば採りたてのネマガリタケであっても、山菜はそれだけを煮たのではあまりばっとしません。そこでいっそのこと、大鍋でおでんを煮て、その中に何でも、そのとき手元にある山菜を加えるのです。こうすると、おでん種の練りものから動物質のうま味がでて、山菜にしみこみます。

 最後にうどんを煮たり、おじやにしたりすれば鍋の底まできれいになってしまいます。このほか寄せ鍋風、しゃぶしゃぶ風、水炊き風の鍋でも、山菜をおいしく食べられます。

 本格的な煮ものには、だしをとって使います。水から昆布を煮たたせ、沸騰したらとり出し、今度はけずり節を加えます。すぐに火を止めてこしたものが一番だし。一度使った昆布とけずり節でもう一度とっただしを二番だしといいますが、山菜には二番だしのほうが合うようです。山菜は、あらかじめあく抜きしておきます。

天ぷら、素揚げ
あくのある山菜も、生のままで天ぷらにすると、あくも感じられずとてもおいしく食べられます。ウドやタラの芽の天ぶらは秀逸です。

 ころもをつけて揚げたのが天ぶらで、何もつけずに揚げたものを素揚げといいます。天ぶらではどうしても重く感じられるので、素揚げのほうがたくさん食べられます。

 
高温より低温で揚げるのがコツです。色や香りが抜けないのが何といっても低温のよいところです。


 山菜も少し揚げるならよいのですが、どうしても山菜主体の天ぶらになりますから、油がすぐ疲労してしまいます。あくが入って色がつき、そしてカラッと揚がらなくなります。

こんな揚げものを食べると胸焼けがします。

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ご飯もの
七草粥は、正月7日に春の七草を刻んだものをお粥に炊きこんで、1年間の無病息災を祈る行事です。七草全部を集めるのがむずかしければ、セリとダイコンとカブのごく若いつまみ菜のようなものを中心にお粥を作り、塩味で食べてください。
 山菜のなかには菜飯にするとおいしい種類があります。ご飯が炊きあがる頃に、刻んで下ごしらえをした山菜をのせ、よく蒸らしてから混ぜあわせると、莱飯のできあがりです。

ご飯にはあらかじめ塩と酒で味をつけておきます。
このほか、ご飯ものでおいしいのは栗ご飯などです。クリは皮をむいて水に漬けてから、米に混ぜて炊きます。

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いろいろな食べ方
生で食べる
ゆでて食べる
炒めて食べる
焼いて食べる
天ぷらにして食べる
まだまだある山菜の楽しみ方

生で食ベる
時間がたてば、それだけアクがでます。やはり生で食べるには、採ってすぐが一番です。

ギョウジャニンニクやオランダガラシ、ウド、ノビル、アサツキ、木の実類、採りたてのネマガリタケなど、生食できるものも多いのでぜひ採ってその場で味わってみたいものです。



ゆでて食ベる
山菜は野菜に比べるとアクが強いのでそれをとりのぞく最も簡単な調理法として、ゆでて水にさらしてから食べます。

お浸しのほか、ゴマ、クルミ、ピーナツ、味噌などで和え物にしたり、佃煮や、ほかの具をあわせて煮物にしても美味です。ほとんどの薬物や茎などは、ゆでて食べるのにあいます。

オオバギポウシやアマドコロ類、ウワバミソウなどは、ゆでてからきざんで独特のぬめりを楽しむのもよいでしょう。
またイタドリやスイバ、ギシギシなどは、酸味を活かして酢の物にしても。


炒めて食ベる
歯ざわりのしっかりした葉や堅い茎などは、アクの弱いものはそのまま、強いものはアク抜きしてから炒め物に。

山菜だけでもよいですが、肉や卵、野菜などほかの具をあわせると食べやすく、旨味がひきたちます。

和風、洋風、中華風、エスニック風など、さまざまな味つけを試してみましょう。








焼いて食ベる
たき火を焚いてキャンプをするなら、ぜひ採った山菜を焼いて塩や味噌、しょう油をつけてワイルドに食べてみましょう。

ネマガリタケを筆頭に、ウド、タラノキ、ノビル、カンゾウなどをあぶると、香ばしさが食欲をそそります。

ただし鮮度は重要なので、持ち帰ったものはそのまま焼かず、アク抜きしてからホイル焼きなどにして味わいましょう。








天ぷらにして食べる
山菜の代表的な食べ方といえば、なんといっても天ぷらです。特にウコギ類、ハリギリ、コシアブラ、タラノキなどは、アク抜きを兼ねて中温(160〜180℃)程度の油でからりと揚げるとよくあいます。

葉物は裏側だけにころもをつけるなど、山菜の形や香りにあわせてころものつけ方や厚さを加減しましょう。

葉の小さいものや、刻んだものはかき揚げにしても。また、香りのよいものはころもをつけずに素揚げで味わって。








まだまだある山菜の楽しみ方
ほかにも炊き込みご飯、汁の実、鍋物などで、野趣あふれる香りを味わうのもおすすめです。

自分でいろいろとバリエーションをつけて、その山菜にあった料理法を探すのも楽しいものです。

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